皮膚科

特徴

地域がんセンターとして皮膚腫瘍全般についての高度専門医療を提供しており、新潟県において中心的な役割を果たしています。入院・外来ともに皮膚腫瘍、皮膚外科の症例を中心に診療を行っています。

また、当科は日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)の皮膚腫瘍グループにおける主要施設の1つであり、多くの臨床試験に参加しています。


診療実績

年間の皮膚がん新患数:300~350例。

年間手術件数(中央手術室):900~1000件。

年間病理検査数:1200~1300件。


皮膚がん新患数の年次推移


皮膚がん新患数の年次推移


診療内容

診断

皮膚腫瘍の確定診断には病理組織検査が必要ですが、その前段階の鑑別診断にはダーモスコピーと呼ばれる光学検査法を用いています。これは皮膚の表面に特殊なスコープを直接当てて拡大観察する方法で、黒色調を呈するホクロ・イボなどの良性病変と悪性黒色腫・基底細胞がんといった皮膚がんとの鑑別に非常に有用です。当科におけるダーモスコピーを用いた悪性黒色腫の診断感度は91%、特異度99%、基底細胞がんは感度92%、特異度97%と、高い精度での鑑別診断を可能にしています。


ダーモスコピー


また、超音波診断装置(エコー)を外来に備えており、皮膚・皮下腫瘍やリンパ節の診断に役立てています。


治療

皮膚腫瘍の治療は手術療法が主体であり、その多くは切除のみで根治します。局所麻酔で縫縮が可能な大きさであれば日帰り手術で十分ですが、切除後の欠損が大きくて植皮や皮弁を要する場合は1週間から10日程度の入院が必要となります。

悪性黒色腫をはじめとする皮膚がんでは、がん自体の確実な切除に加えてリンパ節の切除が必要な場合もあります。放射性同位元素や色素を用いて入口にあたるリンパ節を映し出し、それを切除することでリンパ節転移の有無を調べるセンチネルリンパ節生検は、皮膚がんの中では悪性黒色腫、有棘細胞がん、乳房外パジェット病、メルケル細胞がんにおいて健康保険が適用されています。

切除不能な皮膚がんに対しては、状況に応じて抗がん剤療法、放射線療法などが行われます。近年、悪性黒色腫に対しては免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬の開発が進んでおり、当科は治験も含めて導入当初から多くの診療実績を有し、国内では主導的な役割を担う施設の一つとなっています。


地域との医療連携

県内各地域の皮膚科診療所や病院皮膚科医との連携が緊密であり、当科は地域からご紹介いただく件数が院内で2番目に多い診療科となっています。日帰り手術等の治療を当院で受けられる遠方の患者さんには、通院の負担を減らしていただくために手術自体は当院で行い、その後の処置は地元の診療所でお願いする、といった形の連携を積極的に取り入れています。遠方にお住いの方であっても、ご心配なく受診をされて下さい。




皮膚科のがん

 

外来診療

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スタッフ