生化学・血清検査

生化学検査室で測定している主な検査項目

生化学・血清検査では、血液・尿・穿刺液(腹水・胸水など)・脳脊髄液・胃液などを用いて、その中に含まれる各成分の分析・定量を行い、病気の診断・治療に役立てています。扱う項目数も多いため、大型の検体分注機や自動分析機械を導入して、迅速に正確なデータが届くようにつとめています。

肝機能検査 TP、ALB、ALP、AST (GOT)、ALT (GPT)、LDH、ChE、γGTP、T-BiL、D-BiL、NH3、ICG
肺機能検査 血液ガス分析
腎機能検査 BUN、Cre、UA、Ca、P、CCR、尿中微量アルブミン、NAG、eGFR
膵機能検査 AMY、P-AMY、リパーゼ
甲状腺機能検査 FT3、FT4、TSH、サイログロブリン
脂質検査 TC、TG、HDL-C、LDL-C
免疫機能 IgG、IgA、IgM
腫瘍マーカー AFP、PIVKAⅡ、CEA、CA19-9、CA125、CA15-3、ST439、SCC、NSE、ProGRP、sIL-2R、PSA
感染症検査 HBs抗原、HBs抗体、HBc抗体、HCV抗体、RPR、HIV抗原抗体
薬物 MTX、シクロスポリン、タクロリムス
その他 CRP、RF、CK、Fe、フェリチン、マイコプラズマ抗体、トロポニンI、NT-proBNP

腫瘍マーカーについて

がん細胞から作り出される特有な物質(たんぱく質など)で、血液中の濃度の増加により、病態を推測できるものを腫瘍マーカーといいます。正常の細胞でも作られるものもあります。


腫瘍マーカーはそれだけを検査してもがんを診断できません。がんであっても数値が低いこともあったり、がん以外でも数値が高くなることもあるので、画像診断の補助や治療効果の判定・再発のチェックに利用されています。

ただし、腫瘍マーカーのうち、PSAは前立腺がんの早期発見に有用といわれています。


【院内で検査している腫瘍マーカー】 ※値が上昇する場合

腫瘍
マーカー
がん がん以外
AFP 肝細胞がん、卵黄嚢腫瘍 急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、糖尿病、腎不全、妊娠
CEA 大腸がん、肺腺がん、膵臓がん、子宮内膜がん、胃がん、胆道がん、卵巣がん、甲状腺髄様がん、乳がん 肺炎、気管支炎、結瘍性大腸炎、慢性肝炎、慢性膵炎、糖尿病、腎不全、ヘビースモーカー
CA19-9 膵臓がん、胆嚢がん、胆管がん、大腸がん、胃がん 膵炎、胆管炎、肝硬変、胆嚢炎、糖尿病、卵巣嚢胞、妊娠、若年女性
CA125 卵巣がん、膵臓がん、胃がん 卵巣嚢胞、子宮内膜症
CA15-3 乳がん、卵巣がん 乳腺炎、妊娠後期
NSE 神経芽細胞腫、肺小細胞がん 神経の炎症性疾患
可溶性IL-2R 成人T細胞白血病、非ホジキンリンパ腫 慢性関節リウマチ、ウイルス性肝炎、自己免疫疾患
SCC 子宮頸がん、肺扁平上皮がん 慢性肺炎
ST439 乳がん、膵臓がん、大腸がん 慢性肝疾患
PSA 前立腺がん 急性前立腺炎、前立腺生検後、尿閉時